よりいっそう特別になった桜の花

今年の夏に参加予定の中之条ビエンナーレ、
展示スペースの確認と採寸をするために群馬県へ行ってきました。
のんびりゆらゆら
バスから眺める風景は静かで優しい。
ぼんやりしすぎて、うっかりすると
スキージーで絵具をひっぱったかのように
花や木の色、葉っぱの緑、空の青、家や人が混じり合って
横線になって流れてく。
伊香保温泉に差し掛かった頃だったか、満開の桜並木が見えた。
まわりの素朴な風景とあいまって、本当に美しかった。
空は抜けるように青く、無数の小さな花々は強い生命力を放っていた。
美しいと思える感覚と、胸のうづき、せつなさが入り混じった。
生と死、陰と陽、内と外、自己と他者
あらゆる二極をより強く感じ取れる。
生きる喜びを感じる時、そばに死が寄り添っている事を忘れない。
その感覚は震災前と変わりはしないが、よりいっそう強くなったと言える。

みんなつながっている

東京に戻り少し体調を崩してしまった。大地震直後の個展、心の整理もつかぬまま大阪入りし無事に展示は終えたけれど、胸のなかのもやもやが消えるはずもなく、知恵熱が出たかのようだ。
ま、風邪なんですけどね。
展示中に寄せられた感想を読んだり返却されてきた作品を整理しつつ、大阪個展での事を書こうと思っていても、日に日に変わりゆく国内外の様々な出来事によって、もうすでに遠い過去になってしまった。311以降、あらゆるものの見え方がまるで変わってしまった。大地にしっかり立っていると思っていた。それは幻想だったのか・・・。私達の足元は大きく揺らぎ、その揺れは小さくなるどころかますます大きくなってゆくとさえ感じる。いったいこの先どうなってしまうのか。あの日地震直後に空を覆った灰色の厚い雲はどこまでも続いていて、あっという間に日の光を隠してしまった。その暗い雲が泥色の大津波のように日本中の人を覆うのではないかとさえ思った。
困難な状況が矢継ぎ早に襲ってくると色々な場面で正しい判断がしづらくなりがちだが、自分の良心に基づいて決定するしかない。どうしていいかわからなくとも何度も何度も自身に問うて答えを探す。間違いを恐れて何もしないより、まず動いてみて何か違うと思えば軌道修正する。思考停止に陥らないようにしたい。

一人一人があらゆることに心を添わせて、自分の大切な人に降りかかっている事だと感じて、前を向いていけたら希望が見えてくるはず、そう信じたい。
海も空も人もみんなみんな繋がっている。
世界の隅々までくまなく、あらゆることが繋がっている。

予定通り在廊します

こんな時ですが、関西の方はぜひいらして下さい。
画像の右側の作品はちびっこに大人気です。
これらの作品を見た私の甥っ子たちは
なんだかんだと感想を述べます。お魚に見えたり、かえるに見えたり、はたまた他の小さなお客様は隕石、地球!などと楽しそうに教えてくれます。
帰省して以来、地元の友人や家族に元気をもらっています。大阪では関東での緊張感が嘘のよう。
ここまで温度差があるのか・・・と愕然としましたが、逆に関西は元気で、皆さんが普通の生活をおくられてる事に安堵しました。関東で実感したなんとも嫌な感じの暗雲、そこかしこにたちこめていてピーンと糸が張ったような感じ。その中でなんとか平常心を保とうとする人々。東北の方に比べたら・・・と不安な気持ちをがまんしてそれらを口にすることすら躊躇している。また私自身は関東の友人のことを思うと大阪にいる事すら申し訳なく思ってしまう。さらには甚大な被害を受けた方々のことを思うと、精一杯心を沿わせたいと思う気持ちがある一方で忍び寄る不安から家族を守りたいという思いを抱いてしまう。そう言った感情はごく自然とも言えるが、なんともいえない自己嫌悪と罪悪感がつきまとう。様々な困難な状況で、他者に思いやりを持とうと思えば心を強くもたなければ難しい。もちろん想像力もフル回転させて、すべての事象がつながっているという感覚を持っていたい。
今回の個展会場はホテルということもあって、外国のお客様とお話する機会がある。
少し話していると必ず励ましてくれる。
日本は素晴らしい国、大好きよ。
必ず復興できる。
と言った言葉をかけてくださる。
とてもありがたくて、胸が熱くなる・・・。